第一話 三学期、始まる!

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「そういえば保幸は今日から三学期だな。ちゃんと準備はしたのか?」 「もちろん」 「宿題は済んだのか?」 「姉さんに何度か邪魔されたけど、ちゃんと全部終わったよ」 「邪魔?私は保幸の手伝いをしただけなのだが」 「あれのどこが……」 冬休み、俺が宿題をやってた時、姉さんは何度も俺の部屋に入ってきた。 初めはベッドでゴロゴロしてるだけだった。 2回目は本棚の本を探ってはいろいろと読んでいた。 3回目は部屋に飾ってあるプラモデルに夢中になっていた。 4回目は大音量でゲームをやり始めた。 ちょっと煩かったけど、そこまで邪魔にはならなかった。 しかし……。 5回目以降は俺の部屋にお酒を持ち込み始めて、飲んでは絡み飲んでは絡みの繰り返しだった。 だから、姉さんが寝てからほとんど徹夜で宿題をやって、なんとか一昨日に終わらせることができた。
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