見知らぬ大富豪に

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 毎週水曜日は生協の日、その曜日くらいしか郵便受けを見ないズボラなうち。  配達後は、生協仲間で主婦友の奥様達との井戸端会議にもしっかり参加してから、品物を抱えて郵便受けを覗く。  そこには、何故か郵便局からの不在通知。見知らぬ相手からの書留小包らしい。 「……サユリ様宛て? 誰だろ」  立ち話をしている間に宅配が来るのはよくある事だ。  顔見知りの民間宅配兄ちゃんなら、必ず声をかけに来るんだけど、うちの近所を回っている郵便局員は、井戸端会議に近寄って誰ソレを確認しようなんて事はまずしない。  郵便局員は多分、生協の品物受け取り中か、立ち話している間に来たんだろうね。やれやれ。  我家からM市郵便局までは、ちょっと距離があって取りに行くのはめんどくさい。いいや、再配達してもらおう。生協で頼んだ食材の冷蔵庫仕分けを済ませて、郵便局に電話する。  いっつも思うんだけと、お客様ダイヤルって二つ載せてあるんだけど、片方の番号は何時かけてもずっと話し中なんだよね。何のためのお客様ダイヤルなんだか分かりゃしない。  とにかく、やっと通じたもう片方の番号で、うちは用件を伝えて電話を切った。
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