宇宙人が

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 ある夕方、買い物に出掛け、買い出しの品を提げて帰って来ると、玄関前に灰色のぬいぐるみ……だか何だか判らない物体……が置かれているのが見えた。 「何じゃこりゃ?」  全長一メートル程、子どもよりほっそりした、そののっぺらぼうの人形だかぬいぐるみは、うちの玄関ドアに寄りかかり、クッタリしている。  うちは近所の子どもが忘れていったキモカワ系ぬいぐるみだろうと判断した。 「困ったねぇ。とりあえず預かっとくか」  玄関の鍵を開け、そのぬいぐるみを抱えて……意外に重いな……うちは子どもを抱くようにしてその人形を抱え直し、やっとこさドアをくぐった。  買い出し品の仕分けもあるので、人形はうちの座椅子にそっと座らせて、いそいそと夕食の支度に取り掛かる。  準備も済んで座席に座らせた人形をどかそうとすると、それまでどこが目なのか分からなかった顔に、二つ……どこに隠されていたやら、つぶらな瞳がパッチリ開いていた。  しかも、人形と思っていたそれは……炬燵テーブルにひょいと両手を置き、うちを見上げたのだ!  わわっ生きてる?
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