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そのキモカワ系生き人形はうちをしばらく見つめた挙句、ふっと口（？）を上げて笑った……ように見えた。
気味悪いけど、何か可愛い。
「あー、君、どこから来たの？」
「……」
「ご飯、食べる？」
「……」
返事はない。だけど、『ご飯』は解ったようだ。きっとお腹が空いて行き倒れていたに違いない。
でも、なんでうちの前？
と、とにかく、丼にご飯をついで、今作ったばかりの野菜アンをかけて……箸ではなく匙を持って、その生き物の前に置いてあげた。
匙でご飯を掬って見せ、口に運ぶ真似をして、生き物に匙を渡す。
それは非常に素直に、匙を子ども握り……何せ指が無い……して、アンかけ丼を食べ始めた。
か、可愛いっ！
デフォルメしたような猫や犬の口の形で、そこにご飯が運ばれる様は不気味なんだけど、可愛い。
それは、うちがよそってあげた丼をキレイに平らげ、にこっと笑った……ように見えた……
可愛いのはいいけど、うちの飼主様がこれを見たら何て言うかしら。
「動物は飼っちゃいけないから」
とか、
「お外に逃がしてらっしゃい」
とか言いそうだ……
どうしよう？
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