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とある大学病院、小児科入院病棟。うちは一番最初、部屋に空きが無かったので、三人部屋の一番端のベッドに連れて来られた。
連れて来られた、と言っても、そこに運び込まれた記憶は全く無い。主治医になった先生から、
「サユリちゃん、入院しようね」
と言われ、ストレッチャーに寝かせられてから、約二日間……
うちにとっては空白の二日間だった。
そうして、目を覚まして一週間後、今まで空いていなかった無菌室に移された。
後で知った事だけど、何故無菌室が空いたのか……それは、その部屋にいた女の子が死んだから。
うちは無菌室で二週間、巨大空気清浄器がくっついた、ビニールカーテンも天蓋のようにくっついたベッドの上で、監禁生活を送る事になった。
そんな、限られた狭い空間で毎日を過ごしていたうちは、ある日……
うちはすぐ目の前で眠っている顔を見ていた。鏡でも見ているような感じ。
(あ……れ?)
不思議に思っていると、看護婦さんが検温に来た。無菌室に入ってくるので、手術室と同じような格好、つまり重装備で入ってくるので、結構物々しい。
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