もしも

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 もたもたしているうちに、主治医の先生が走り込んで来た。 「サユリちゃーん! しっかりしなさーい!」  あー、耳元でそんなに大きな声出さなくても聞こえてますってば……先生は後から入ってきた看護婦さんに、 「ご家族の方に連絡して!」 とキビキビ指示を出した。  え、エライこっちゃ……  先生は瞼をこじ開けたり首を持ち上げて口を開いたりした……その口が開いた瞬間、うちは体に吸い込まれた!  次の瞬間、うちには目の前に迫る先生のマスクが見えた。 「サユリちゃん!」 「……は、はい」 「…………ああ……良かった……」  何が良かったのかサッパリ解んないけど、戻る事が出来て良かった……  先生もホッとしただろうけど、うちもホッとしたのを覚えている。  そんな事があって、今生きてくだらない話を綴っている人間は、きっと長生きするんだろうねぇ……フフフ……フフ……
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