ソラ

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「なんの真似だ」 「なんとなくかな」 俺はキスをされたらしい 何を理由に俺にキスをしてきたのか分からず 俺はただ立ち尽くしていた 「会ったばかりの人にファーストキスをあげたら何か起こりそうな気がしたんだよ」 俺はただただ立ち尽くす 「意味分からん」 ソラも頷く 頷かれたものだから、俺は溜め息をつくしかなかった 「まぁ…今のはなかった事にするんだ」 ソラは目をパチクリさせながら首を傾げる 「翼君の唇の柔らかい感触がまだ残ってる…」 「忘れろ」 少女は少し面白くなさそうに俺を見つめる 俺は目を反らしてまた背を向けた 「…えいッ!」 なぜだか今度は後ろから飛びかかって抱きつかれた 「やめろ」 やめないソラを体を翻して見つめる 「翼君面白くないよ」 俺はめんどくさそうにそのまま歩き出す 「俺に何を求めているんだ…?」 ソラはずりずり引きずられながら考える 「えっと…これも運命だ、俺と付き合おうぜみたいな感じでどうかな?」 俺は言葉も出なかった 「知らん…変な妄想しないでくれ」 後ろで未だに引きずられるソラ なんだかポカポカ殴られている 「妄想なんて酷いよ翼君!」 めんどくさいにも程がある だから人を相手にするのは嫌なのだ 「離れろっつってんだろ!ウザいんだよ!」 まとわりつくソラを引き剥がし、メンチを切った ソラは怯えながら後退りをした 「ご、ごめんなさい…!」 そう言うとソラは俺を追い越して去っていった 息を荒くしながら俺は溜め息を付く 「ちっ…ムカつく…」 そう言って俺は再び歩き出す 「いつだって俺には誰も近寄らない…良いことだ」 気がつくとなぜか目の前で息を切らしてソラが立っていた 「なんだ?また俺を怒らせたいのか?」 ソラは首をブンブンと振ると、息を整えながら笑った 「また明日ね、翼君」 俺は呆気に取られたが 悪い気はしなかった
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!