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地下。
そこは、地上で忌み嫌われた者たちの住む場所。
中でも、中心的なのは旧都。
その旧都の外れ。
名もない小さな屋台に、一人の女性が腰かけ、静かに酒を飲んでいた。
名を…星熊勇儀。種族は鬼である。
四天王と呼ばれ、かなりの力を持つ。
「ふぅ……たまには一人静かに酒を呑むのもいい…」
閑散としている小さな通り、そして屋台。近くにいるのは、辺りを彷徨く妖怪、屋台の店主、そして勇儀だけだった。
ドゴォーーーン!!!!
「おや、一体何が…って、あれは………!」
勇儀が一人飲んでいると、不意に、地下の世界に轟音が響き渡った。
しかし、音のした方へ振り向いた瞬間、勇儀はピタリと止まった。
日の光が差さない地下に、一筋の光が差し込んでいた。
「っ!お代おいとくよ!!」
勇儀は、屋台の出ると、光の差す場所へと駆けていった。
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