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その日の夜、和哉から電話が入った。
『具合、どうだ!?……ごめんな、ちゃんといる…って言ったのに……』
物凄く私を気遣う和哉を責めることは出来なかった。……それに、仕事じゃ仕方がない。
《大丈夫だよ……仕事じゃ、我慢するしかないって》
……ほんとは、泣きそうだったくせに……そんなことは、なかったかのように振る舞う。
『……で、健は!?なんかされてない!?』
《健は、帰ったよ!?……なんかって、なによ……》
一瞬、ドキッとする。
見てたはずないのに、健に抱きしめられたのがバレてるのかと思ってしまう。
『あ!?……淋しくて、健に手出した…とか……』
再び、心臓が音をたてる。
《……バカッ………私が手出す……ってどういう意味よっ》
電話口で和哉は笑っていたけど、、、、
私は、すべて見透かされているのかと思ってしまった。
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