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額に当てられた映理の指が、優しく前髪をすく。
「映理…かぜ移るよ」
顔を真っ赤に染めながら多聞はいった。
「俺なら大丈夫だ、大抵の風邪位なら耐性ができている」
そういえば、脆弱そうに見えて映理がかぜで寝込んだ姿をまだみたことがない。
「幼いころ、風邪をひくと、父によく新薬を試された。家にも処方箋がなければ手に入らないような薬が常備してあったんだ」
なんて親だ!自分の息子を新薬の被験者にするなんて…。
と理由はどうあれ今は義父である映理の父親を腹だたしく思う。
「オレだって毎日映理としたいよ。今日はしないの?」
だが風邪を移したらマジにヤバい。
「したいのなら…」
クスッと微かに笑って、映理は掛けていた毛布の下半身辺りに潜り込む。
「えっ…ええっ!?」
薄手のパジャマの上から、映理は多聞のそれに噛むようなキスをした。
「…っ」
益々熱が上がる。
「おまえは何もしなくていい」
毛布の中でパジャマのズボンが下ろされると、さっきのキスで硬化したものが露になった。
「……映理」
固く目を瞑って羞恥を堪える。
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