571人が本棚に入れています
本棚に追加
規則的な寝息を聞きながら、映理は静かに部屋を出ていった。
自室に戻り、処方されている安定剤とロヒプノル系の睡眠薬を映理は少し多めに飲んだ。
今夜は何も考えずに眠りたい。
それでも眠りがやって来るまでにはまだ時間がある。
軽い頭痛がしていた。
映理はこめかみを押さえるのではなく、自身の左胸に手を当てる。
多聞、
おまえはひたすら肉体が強くなり
(俺を護るために)
セックスが上手くなろうと
(俺を満足させたくて)
それだけにこだわっている…。
でも俺が望むのはそいいうことじゃないんだ。
心が漠然と不安を感じている。
おまえが強くなればなろうとするほど…
逆に遠くなって行く気がする。
最初のコメントを投稿しよう!