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ふたりだけで暮らせる幸せを、多聞は日々噛みしめていた。
もちろん家族として実家で暮らしていた頃も、義兄である映理はそばに居たし、
離れて暮らした時期も訳ありであったが、何かと自分の面倒を観てくれていた。
だが、今までの義兄弟という薄い絆だけではない関係がふたりの間に出来つつある。
自分の男としての器を量れば、〔映理を守る〕 ナイト役にはまだまだ完璧とは言えないが…。
幹線道路に面した築5年のマンションは、二人で住むには十分な間取り。
車の往来は深夜でも絶えなかったが、各部屋は防音サッシ付きで、ふたりの眠りを妨げるほど煩くはなかった。
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