◇藍に泳ぐ光

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◇藍に泳ぐ光

窓の外に流るる川 雨音なのかとふと慌て 冷や汗垂らすは幾度目か。 また繰り返して窓を見て 愚かな自分に気が付く前に 藍泳ぐ光に心奪われる。  ほんのり明るい淡い夜  切ない光がゆっくりと  藍を泳ぎ 瞬きをする 音も時も忘れて見つめ 気付けば蛍は消えていた。 今もまた 雨音なのかとふと慌て 窓を開けた自分を知る。 眼下の川は すっかり変わって 異臭を放つ。 あの頃見た藍泳ぐ光は 今思えば夢幻のよう。 私は目を瞑り 窓を閉めた。 (詩案提供:神霊†藐錏さん) 窓の外・ホタル・明るい夜
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