9人が本棚に入れています
本棚に追加
「軽蔑するか?嫌いになるか?そうなっても仕方ないけど、オレの気持ちに居るのはリミだけだよ・・・虫の良い言い分だけど、まだ好きで居させてくれないか?」
三人が狂ったカラスみたいに騒ぐ。
「軽蔑できるならするよ、嫌いになれるならなるよ!」
リミは目線を落とした。
「でも、まだ愛されたいあたしが居るの・・・」
消え入りそうなリミの声は、雨に遮られる事も、三人に掻き消される事もなく、オレの頭に染み込んだ。
駆け足で近づき、リミを抱き締めた。
「バカァー・・・バカァーーッ!」
リミはそう怒鳴りながら、オレを受け入れてくれた。
この暖かさ、軟らかさ、リミを感じさせる全てを独占している時が一番落ち着く。誰にも渡さない・・・ずっとずっとリミを独占していたい・・・
降り滴る雨が傘で弾ける音の下、決意にも似た欲望が怪しく輝いた気がする。
最初のコメントを投稿しよう!