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オレは長谷川拓海(ハセガワタクミ)。今まさにうなされて目を覚ましたとこだ。
「なんだ・・・今の・・夢か?」
独り言を呟き、ムクッと体を起こした。真っ暗な部屋に電子時計の数字だけが浮かんでいる。
「四時半か・・・もう寝れないな・・・」
そう言って手探りで煙草の箱を探し当て、一本を口にくわえてライターを探しだす。指先に触れたライターを掴み、そそくさとタバコに火を点けた。
深く煙を吸い込む度、小さな灯りが部屋を赤く染める。
漠然とその動作を繰り返し、ちょうど一箱空になる時朝日が差し込んできた。
「さて、準備するかな・・・」
癖になってしまっている独り言を呟き、のそのそと通学鞄に教科書を詰め込み始めた。
ちゃっちゃと準備を済ませると、朝食を取りもせずに家を出た。誰も居なくなった家は嫌にタバコ臭いわりに、生活感はまるでない。
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