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時間とは優柔不断にグズグズとするオレを少し焦らせる。
夕暮れがオレの顔を赤くしていなかったら、顔が真っ赤になっているのがバレてしまうだろう。目の前には入学式早々遅刻した柳沢李美(ヤナギサワリミ)が、部活をしている生徒たちを眺めている。
あれから一年と三ヶ月の月日が過ぎ、数々の事を経験した。良いことばかりじゃないけど、全てが良い思い出になっている。
「シン?どーしたの?」
生徒たちを眺めていたはずの顔が、目の前にある。欲望のまま触れるだけのキスをすると、リミはみるみる赤面していく。
「もぉ~・・・答えてよ~!」
リミが膨れて言う。
「リミ・・・好きだ・・・」
何度も言ったが言い足りない言葉を呟く。リミはそんなオレに抱き付いてきた。
「知ってるよ!」
再び唇を重ね、舌を絡ませ合う。抱き締める腕に力が入っていくのがわかった。
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