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生徒がうるさい。
何がそんなに嬉しいんだろう。学校なんてもの、なくなってしまえばいいのに。
綺麗に手入れのされた金髪の毛先をくるくるとまとめてはほどき、それを繰り返しながら瑠璃はぼんやりと視線をステージに向けた。
ステージには日の丸が掲げられている。もう日の丸さえ憎く思えてくる。
誰も悪くないのに。
入学式に出席して、思ったことはただこれだけ。
校長先生の下らないスピーチも
隣の男の子に話し掛けられることも
ただ ただ 全てが面倒だった。
「それでは新入生の皆さんは教室に移動して下さい。」
マイクを通して、化粧がやたら濃く趣味の悪いスーツを着た生徒指導の先生が生徒に呼び掛けた。
会場は一度ざわざわっとして、それから徐々にうるさくなっていく。
あぁ、うるさい-
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