序章

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「何言ってるの、頭の残念な南井透君。せっかく、遅刻しないように声かけてやったってのに」 ・・・お前ほど足速くなきゃ、どの道もう遅刻だよ。ってか、なんでお前ここにいるんだよ。お前、何の為に生まれて何をして喜ぶんだよ・・・。 南井には言いたいことがたくさんあったが、ただ一言、 「お前こそ遅刻するぞ」 とだけ呟いた。いちいち言うのは面倒だったのだ。 少女は、 「あっ、やばっ」 と小さく叫ぶやいなや、コンビニを飛び出して行く。このコンビニは学校から1キロも離れていないので、彼女の足なら、間に合うかもしれない。 「・・・何だったんだよ・・・。」 南井は呟き、再び漫画に目を落とした。
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