序章

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江戸時代の中世… 「号外ー!号外だよー!」 人通りのおおいなか、とある男がチラシをばらまき、市民達がそれを拾う。 「また鬼神か…困ったものだ」 「全くだ…鬼神様も金が貰えるからってだけで良くこんなに殺しが出来るってもんだ」 「だが、アイツに叶う奴がこの世にいないってのも事実だ。 物騒な世の中になったもんだな」 若干の侮蔑をこめながら、市民達はそう言って苦笑する。 そこに、とある青年がその状況を見かけて市民達に近づいて行く。 「…どうしたんですか!?」 「ああ…また鬼神が現れたらしい。困ったもんだ…」 青年は、それを聞いて下に落ちている号外の新聞を読み出す。 「こりゃあ物騒ですね…」 「そうだろ!?全く鬼神何て言われていい気になって…ただの犯罪者だろってね~!? おっと…もうこんな時間か。嫁さんに叱られる。」 そう言ってしゃべっていた一人の市民が青年に背を向けると、急いで家に向かって走ろうとする。 …が、青年に言い忘れたことがあったようで、その場に止まり、市民は口を開き始めた。 「『凶』君も、鬼神には気をつけなよー!」 青年は「ええ」とだけ市民に返事をすると、市民は急いで家まで帰って行った。 …青年がその号外を笑いながら見ていたことにも気づかず。
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