序章

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ホームルームの時間も終わり、放課後になった。 アスラン・ザラは通学用の黒いカバンに教科書や、ノートを詰め込んで帰り支度をしていた。 彼は成績優秀、テストではプログラミング以外の教科はすべて1位、とくにマイクロユニット制作が得意。 おまけにスポーツ万能の優等生だ。 髪の毛は藍色で、整った顔立ちをしている。 目はエメラルドのような輝きを放っている。 もちろんスタイルも抜群だ。性格は無口であまり人と関わろうとはしないが、それがなかなかカッコよく見えるのだ。 そんな彼を女子がほっとくわけがない。 なんでも月に3回は告白されるとか。 でもアスランはすべての乙女の純情な恋心を裏切っているらしい。 中には飛び切りの美人もいるのにもかかわらず。 彼が断る理由には、“彼女たちと付き合っても俺に利益はちっともない”と考えるようにしているかららしい。 帰り支度ができたアスランは、つかつかと窓側の1番後ろの席の男の子の方へと向かった。
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