最愛が奏でる泡沫の音色

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まさか本当に 鈴さんも想ってるの?って 両想いなの?って そんなこと やっぱり信じたくなかったから。 指輪をギュッと握り締める。 この指輪を潤の指に戻すことが 潤の望みだと分かっていても イヤだった。 潤の左手には アタシとお揃いのカルティエの リングが鎮められてる。 それくらいいいと思った。 気持ちはくれないんだから それくらい 罰は当たんないでしょ? その心の繋がりの強さには 勝てないんだから……………。 アタシはもう一度 携帯を取り出して時計を見る。 15分も経ってないけど やっぱり遅いから見に行こう。 友達にメールを打ちながら 病院へと脚を進める。
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