最愛が奏でる泡沫の音色

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アタシは 掴んでいた鈴さんから手を放して ふらふらといつも座る潤の左側に 座った。 何なんだろう。 2人して幸せそうな顔して。 何なんだ。一体。 手をぐっと握ると 何かがクシャっという音を立てた。 見ると さっき渡された封筒だった。 裏を見ると封をしていない。 アタシは中の手紙を取り出した。 何かが床に落ちる。 しゃがんで落ちた物を拾った。 それをじっと睨みつけると 鈴さんに視線を移した。 いつもいつもズルいんだよ。 いつもいつも アタシだけ除け者じゃない。 彼女だったのだって カモフラージュでしょ? 鈴さんの結婚だって同じ事。 結局 2人で同じ物を守っていたんだ。
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