2 誘惑

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「ん?」 「へ?」 私自身も気付いてない。溜め息をついて、嵩也は言う。 「さっき、先輩座り込んだだろ?その時、砂利に足を擦って…出血してるでしょ?」 確かに、出血はしてた。でも、ほんのちょっと💦 「え?あぁ、これ?あの棚にマキロンがありますから、つけてあげてください。絆創膏は、隣の棚の真ん中の小さな引き出しです。では🎵」 「―楽しんでるな?譲兄。」 「あはは。ま、おばさんには内緒にしといてやるよ。」 パニックになってる私に、笑顔で手を振って出て行く保健医。 「こいつのフェロモン、ただもんじゃ無いから。誘惑に気をつけてね🎵」 と、一言残して…。 「ゆう…わく?」 私を、椅子に座らせて嵩也は薬を出しながら呟いた。 「誘惑ねぇ…。」 ドクンッ 耳を塞ぐ。 “聞いちゃいけない” そう、心で叫んだ時だった。嵩也がそっと、耳を塞いでいた私の腕を取った。 「あ❗」 耳元で囁く。―危険な声で。 「今度の日曜日、デートしようよ。先輩?」 ショート。 やられた。 私は、ポーッとしたまま頷いた。 日曜日。 私は、どうなっちゃうんだろう。
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