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「ん?」
「へ?」
私自身も気付いてない。溜め息をついて、嵩也は言う。
「さっき、先輩座り込んだだろ?その時、砂利に足を擦って…出血してるでしょ?」
確かに、出血はしてた。でも、ほんのちょっと💦
「え?あぁ、これ?あの棚にマキロンがありますから、つけてあげてください。絆創膏は、隣の棚の真ん中の小さな引き出しです。では🎵」
「―楽しんでるな?譲兄。」
「あはは。ま、おばさんには内緒にしといてやるよ。」
パニックになってる私に、笑顔で手を振って出て行く保健医。
「こいつのフェロモン、ただもんじゃ無いから。誘惑に気をつけてね🎵」
と、一言残して…。
「ゆう…わく?」
私を、椅子に座らせて嵩也は薬を出しながら呟いた。
「誘惑ねぇ…。」
ドクンッ
耳を塞ぐ。
“聞いちゃいけない”
そう、心で叫んだ時だった。嵩也がそっと、耳を塞いでいた私の腕を取った。
「あ❗」
耳元で囁く。―危険な声で。
「今度の日曜日、デートしようよ。先輩?」
ショート。
やられた。
私は、ポーッとしたまま頷いた。
日曜日。
私は、どうなっちゃうんだろう。
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