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きっかけは一冊の求人誌。
6月のある日曜日
緊張しながら担当者に電話をかけた。
そしたら早速、今日面接に来て欲しいとのこと。
私は支度した。
とりあえずいつもより濃いめに化粧して
それから薄ピンクのマニキュアを手と足の爪に塗り
駅前のデパートでハンカチとストッキングとポーチを買った。
Gジャンと黒いパンツを着ていたが、
おかしくないかと思って街中で何度も何度も鏡を見た。
あるビルの地下一階にあったそのお店。
まだネオンの電気がついてない6時頃。
私は扉を開けることがどうしてもできなくて
店の前で20分くらい過ごした。
もう約束の時間だと思い
汗ばんだ手で重いドアを開けた。
カラカラカランと
音が鳴って
目の前にはカウンターがあった。
ついに来てしまったと私は急に怖くなった。
だけど、その時ちょっとだけワクワクしていたのも嘘じゃない。
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