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門の前で悩んでいたら、
「どうかしましたか?」
落ち着いた少し高めの声で聞かれた。
声のしたほうに振り返ると、メガネをかけたいかにも優等生な人が立っていた。
「あ、俺今日転校してきた…。」
「あ、あぁ。君が例の。」
「例の?」
「あ、いやなんでもない。こっちの話だ。俺は2年の桐生和人(キリユウカズト)。生徒会副会長だ。お前は?」
「あ、九重恭夜です。」
副会長なんだ…。ぴったりだな。予想通りだ…。
「ついて来て。理事長室まで案内するよ。」
「あ、ありがとうございます!」
いい人だ!良かった~。助かった!
桐生は門の端のほうにある小さい部屋のそばに行くと、中にいるひとと話を始めた。
すると、門が開き始めた。
うわ~。でか~…。とのんびり考えていると
「恭夜。行くぞ。」
「は、はい。」
俺は先に行く先輩に追いつくべく走っていった。
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