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      シロ「スバのことや…そんな遠くには行ってないと思う。」    それを聞いてタツは部屋を出た。     タツ(遠くには行ってないって、なんでわかんねやろ。…でも、スバ君吹っ切れてなかったんやな。)     トイレ‥待合室‥庭‥どこを探してもスバはいない。   タツ(アカンッもう何処におんねん!…あとは、屋上?そんなベタなとこにおるかなぁ。)   タツは屋上への道を急いだ。   タツ「ハァハァ…なんでエレベーター途中までしかないねん!!……あっ。」   そこには屋上への扉があった。 タツはゆっくりその扉を開けた。   タツ(スバ君…おるかな。)     ガシャンッ     タツ「誰かおる!?」   フェンスを叩いたような音がした。 タツはその方向を覗いた。   タツ(スバ…君?)   そこにはフェンスに背中をあずけて座り込んだスバの姿。   タツ(やっと見つけた…。)     スバ「タツ…そこにおんねやろ。」   タツ「ぇ!?(゚゚;」   スバ「声聞こえたわ。」   タツ「あちゃ~」   スバ「…やっぱアホやな。」   タツ「いわんといてやぁ。」   スバ「てか、いつまでそんなとこにおるつもりや。」   そう、タツはスバを覗いている状態のまま話していた。   タツ「あ、そやな。」   そういってスバの隣へ腰かけた。   スバ「こっちこいなんて一言もゆうてないぞ。」   タツ「まぁまぁ、見つかってもうたし…ここでどっか行くんも変やん?」   そやろ?とでも言うようにタツはスバの顔を覗きこむ。   スバ「…お前はほんまゴーイングマイウェイやな。」   タツ「ふふっスバ君には負けるわぁ。」   スバ「…アホ。」   タツ「それよりぃ気持ちいね、ここ。」   2人だけの屋上には初夏の風が心地よく吹いていた。   スバ「おん。…はぁ~俺どうかしてたなぁ。」   タツ「ん?」   スバ「なんか、自分の気持ち分からんくて…シロブタに当たってもうた。」   タツ「うん。」   スバ「何がこんなに苦しいんやろ。」        
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