第二楽章 PART1

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「紅莉。信じられないと思うけど、本当のことなの。証拠もあるよ」 思いがけない展開に何とか頭と気持ちをついて行かせようと必死の私を悟ってか、愛桜は【証拠】を見せると言いだした。 すっと立ち上がったかと思うと、今さっき私がのぞいていた本棚の一番下に入れられていたファイリングした紙の束を一部抜き出して私に差し出してきた。 (これを見ろってことよね?) 恐る恐る受け取って中をぱらっとめくってみる。 (!!!!!!) そこに書かれていたのは Karatの曲の楽譜。 しかも手書き。 おそらく原本ってやつだろう。 「えっ!!これって…」 「そう原本だよ。まちがいなくKaratのね。紅莉なら分かるよね?その曲」 分かるも何もない。この曲はKaratがインディーズ時代に一番最初に歌った曲。まだこの曲はCDになっていないから、楽譜が出回るなんてことはまずない。しかも一般人の手に渡ることなんてもっとあり得ない。
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