25人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「美優、最近さ~なんか元気だよね」
由紀に指摘され、美優は戸惑いを隠せなかった。
―確かに彼に会ってから、私はどこと無く変わったのかも…。
「えっ、美優、初恋?!」
「誰々ぇ?!」
やはり、女の子は恋話が好きなのであろう。
美優の周りには、沢山の女子が集まってくる。
―初…恋?
―違うよ…きっと。
美優は戸惑いながら、その言葉に詰まった。
「違うよ、きっと。
ほら、私…まだそういう恋とか愛とか解らないし」
「でもさ~、恋する女の子って匂いするよ??」
「匂いって…由紀、どんだけー!」
「鋭くない?!」
由紀の発言に、美優たちは笑った。
優しく、暖かく。
美優はそんな由紀に、感謝したかった。
―様子が可笑しいことを、気に掛けてくれてる…。
嬉しいな…。
由紀…ありがとう。
―とても心配してくれているのだと、深く心に伝わってきたから、だからこそ、まだ言えないよ。
何時か、この感情を知る時に…由紀に話そう、と決心した美優であった。
最初のコメントを投稿しよう!