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ゴッ
「!?」
涼は突然のことだったので反応できず、受け身がとれなかったので、後頭部をもろにうった
「ーーーッッ!!」
しばらく涼は声にならない叫びをあげながら後頭部をおさえ、地面を転がった
「…あのー、大丈夫?」
涼は不意に声をかけられゴロゴロをやめ、うつ伏せの状態のまま顔をあげる
そこには、女の子がしゃがんでこっちを見ていた
「…。あぁ、大丈夫だよっと」
涼はそう言ってこれ以上地面を転がっていてもみっともないので立ち上がることにした、すると女の子もそれにあわせて立ち上がった
背丈は小学生ほどで、所々浅黒くなっているワンピースを着ている。
緑髪でロングヘアーの可愛い女の子だった
「うんうん、大丈夫そうだね」
女の子は言いながらにっこり笑う
「んっ、あぁ」
『それにしても、緑髪って珍しいな。…んっ? 緑?』
そして思い出す、自分が地面に倒れる原因が緑色だったことに
「ああーーーー!!」
思わず大きい声をだした
その迫力に女の子は驚いて尻餅をついてしまう
「ひゃっ。なに、なに」
「お前、人様に自由落下運動からの強力な体当たりをやっといてなにじゃねーだろ」
「……。んっ?」
「とぼけか、ここでとぼけなのか。なら、あれはなんだよ!!」
涼は自分の頭の上に指を差す
そこには、バチバチと音を発する穴が………
無かった
「へっ?」
そこには雲一つないほどの青空が広がっているだけだった
「…………」
「…………」
「…………」
「……えーとね、元気出して、ねっ?」
「…………」
「だってねー、人が落ちてくるわけないじゃん、あんなバチバチしてるのから…。あっ!!」
女の子は慌てて手で口を覆う、が遅かった
「フッフッフッ、やっぱりか」
「こわい…」
「さて説明してもらおうか。君は誰で、何があったのかをな!!」
「…台詞が悪役っぽいよ。わかった、はなす。実は…」
女の子が話そうとしたそのとき
「ああーーーーーー!!」
涼がまた大声をあげる
「っ――、今度は何!」
「マジイッ、遅刻だ!!」
時計は8時15分を指していた
「そ―ゆうことで、じゃな」
「わかった、またあとでね」
「おう!」
そう返事をすると涼は走りだした
『………んっ? またあとでね?』
一瞬ひっかかったがすぐに考えるのをやめ、ひたすら走った
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