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涼の高校は『工』の字型をしている
『工』でいう上の辺には、職員室や特別教室がある三階建て
下の辺は四階建てで、上から、一年→二年→三年→昇降口となっている
そして、四階以外の階には校舎をつなぐ渡り廊下がある
階段は『工』の右下にある
涼は今昇降口の柱の影にいる
現在の時間は8時17分
完全に遅刻のはずだった…
しかし、今日は職員会議の日だったらしく、向こうから先生達が階段に向かい歩いていた
「オッケー、俺ついてるじゃん」
涼は小さくガッツポーズをする
「でも、普通に階段にいったらOUTだな……」
そう、先生達から昇降口は丸見えだ
そんな中、今隠れている場所からでたら、即発覚しめでたく清掃の刑なのだ
「………しかたねえ」
涼は体をかがめて一度外にでると昇降口のそばの銅像のところに駆け寄った
この銅像はこの学校の創設者でもあり初代校長でもある人の等身大の銅像だ…
それに手をかけてのぼり、銅像の頭の上に乗る
銅像は、台もいれると170センチとちょっとある
そして、昇降口のひさしは地上から2メートルのところにある
その差は約30センチ余裕で乗り移れる高さだ
涼はひさしに手をかけると、そのまま乗り移ったと同時に走りはじめた
じつは、ひさしは全クラスの窓の上についている
そのひさしは、上の階の物などが落ちるのを防止する役割もはたしている…
つまり、一階のひさしは二階の足場になるのだ
そしてそのひさし…いや、足場は昇降口の足場とつながっている
更に三年の教室が二階なのをふまえると……
階段などつかわずとも教室にいけんだよバーカ!!
となる
涼は一番奥の自分の教室までたどり着くと、あいている窓から教室に入り、席に着いた
それのすぐあとに、担任が教室に廊下側から入ってきた
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