41人が本棚に入れています
本棚に追加
「……うっ……うん?…」
後頭部に裏拳をいれられ軽く気絶していた涼が目覚めた
「いっつ……まだ、痛いし…」
涼はまだズキズキ痛む頭を押さえながら立ち上がる
そんな涼の耳に舞の怒鳴り声がきこえた
『なんか…騒がしい…』
涼はとりあえず、舞達がいるだろうリビングに向かう
この寮は、玄関から廊下が真っすぐにのびていて、正面と玄関はいって左に部屋があり、右にトイレと風呂がある
涼は、正面はリビング、左は寝室としてつかっている
ガチャ
涼は、リビングのドアをあけると…
「だから、どこからきたのかって、聞いているでしょ!!」
舞のバカでかい声が耳をつらぬいた…
「うおっ!!」
涼はおもわず仰け反った…
『また、俺か!!!』
そう思った涼は反射的にみがまえる…が、怒りの矛先は涼ではなかった
「だ…だから、空からヒューンって…」
「そんなの信じるわけないでしょ!!」
小柄な体格の舞の前には、更に小さい、緑髪の女の子がいた
舞は、この女の子に怒っているようだ…
女の子は舞の迫力で、怯えきりぶるぶる震え、目にはうっすら涙がうかんでいた
『…なんだかしらねぇが…やりすぎじゃないか……』
舞がキレると、涼や隼人も恐怖を覚えるほどだ…
それを、あんな小さい子が……
涼は本気で同情し、心の中で手をあわせる……
と、そのとき
女の子が涼に気付き、涼の方を見、目が合ったとたん、女の子の目から涙がブワッとあふれた
そして…
「助けてぇ(泣」
涼の服にしがみついてきた
「うわ~~ん、あの人怖いよ~~(泣」
「…………………」
涼は無言で自分の服をつかんで泣く女の子をみおろした…
『…あれっ?……この子、どっかで…』
涼は、とりあえず今日をふりかえる…
「!!、わかった、お前はあのときの………」
涼が最後まで言う前に舞の放った拳が涼の腹につきささった……
『…しっ、しまっ……』
涼は腹を押さえくずれた…
『くそっ……いつのまにか…いないし……あの子…』
女の子は、涼が今日を振り返ってる間にちゃっかり後ろにまわりこみ、ちゃっかり攻撃をうけずにすんだのだった
最初のコメントを投稿しよう!