『ラストクリスマス』

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「なっ…何で知ってるの?」 「看護師と話してるのが聞こえた」 「盗み聞き~~」 「人聞きの悪い言い方すんなよ」 「も~油断も隙もないんだから」 膨れる風蓮 「それはこっちのセリフだよ」 「え?」 「クリスマスはパーティーやるからイブは大人しくしてんのかと思いきや、ちゃっかりデートの約束なんてしちゃってさ」 「そ、それは~昨日夜電話で椿に誘われて…」 必死で弁解しようとする風蓮が可愛くてつい顔が綻ぶ 「でも、良かったな」 「へ?」 「クリスマスはやっぱ2人で会いたいもんだろ?」 「……ま、ね」 照れながら顔を赤く染めた風蓮が頷いた 「何かあったら電話して」 「駆け付ける準備はしとくから」 「わかったわ、ありがとう…」 恋人と過ごすクリスマスイブ それは女の子なら誰もが夢見る時間 風蓮もその内の1人 椿に恋する女の子 椿と居る時だけは、身体のことを忘れられる ただの恋する女の子になれる 幸せでいられる
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