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取り出したのは小さな箱
それをスッと風蓮の目の前に差し出す
「え……?」
風蓮の瞳がツリーから箱に釘付けになる
「あたしに…?」
「うん、クリスマスプレゼント」
風蓮は小さなその手で箱を受け取った
「………」
綺麗なリボンが結ばれているその箱をただ見つめる
「何、開けないの?」
クスクスと笑いながら椿が言った
「だ、だって……嬉しい…」
風蓮の瞳には薄らと潤みが増していた
その瞳に優しくキスを落とすと風蓮の手の中の箱をゆっくりと開けた
そこに包まれていたのは、天使の羽のネックレス
シルバーに輝くその羽が綺麗だった
「可愛い…」
椿はそのネックレスを風蓮の首につけてやった
鎖と鎖がぶつかり、シャランと奏でられる金属音が耳に響いた
「よく似合うよ、俺の天使………」
椿は天使の羽が揺れる風蓮の鎖骨にキスをした
「椿……ありがとう…」
「本当にうれしい」
嬉しそうな風蓮の笑顔に満足そうに椿は笑った
たくさんの人混みの中、2人だけのかけがえのない時間を過ごした
キラキラ輝くクリスマスツリーも、イルミネーションも…脇役でしかなかった
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