『ラストクリスマス』

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ふいに身体を離して風蓮が椿を見上げる 「風蓮…」 目尻に溜まった涙を指で拾うようにしてすくう そのまま指をペロッと舐めた 「風蓮の味がする」 クスリと微笑み、椿が言った 「ばっ…ばか、何言ってんのよ…!」 「照れてる」 「照れてないっ」 言葉とは反対に赤くなる顔が真実を教えてくれた 「椿…」 「何?」 「あ…」 「あ?」 「あ…愛してる………」 「風蓮」 椿はさらにきつく風蓮を抱き締めた 「俺も…」 まだたったの高校生の2人 だけど確かに愛はあった それは誰もが認めるくらい綺麗で切なくて… 本物の愛だった…
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