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街に入ると一気に賑やかになる
今宵はクリスマス
煌めくイルミネーション
耳に聞こえる歌は、きよしこの夜
風蓮がそれにつられて歌いだす
「き~よし~こ~の夜~♪」
楽しそうな風蓮を見て、椿も笑顔を浮かべた
小道に入るともう目的の場所はすぐそこだった
「あ、あった~~」
風蓮がKA4SUを見つける
「もう皆来てるかな?」
椿がそう言ってドアを開けようとした
その時―――
グイッと風蓮がいきなり椿の襟元を掴んで引き寄せた
そして、唇を重ねた
「―――っ?!」
驚きのあまり、椿は瞳を大きくさせる
ほんの一瞬…
掠めた程度のキスだった
唇を離した風蓮はニコリと微笑む
「―――っな!?」
「なにっ?急に……っ」
カァァと顔を火照らす椿にそっと抱きつく
「すき……」
「風…蓮…」
「あたし…椿がすき…」
「すごくすき…」
風蓮は何度も『すき』と言葉を繋げた
その度に嬉しくて心が震える
身体が熱くなる
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