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「ど…したの、いきなり…」
嬉しさの反面、風蓮の行動や言葉ひとつに違和感を感じる
昨日だってそうだった
『愛してる』だなんて……
風蓮の口から聞けるのはもっと遠い未来だと思っていた
それなのに………
違和感を抱きつつ、風蓮の次の言葉を待った
「どうもしてないよ?」
「ただ…思ったことを言っただけ」
そして……
最高の笑みを浮かべる
「椿…」
「あなたに恋をして…あたしは最高に幸せだった………」
「――――っ」
違和感が確信になりかけた
何かが違う
だって…そんな、これが最後みたいな言い方……
口を開こうとした途端に、それを遮るかのように風蓮がBARのドアを開けた
カラン、と一際大きく鐘が鳴った
中からマスターの『いらっしゃい』と言う声と仲間たちの笑い声が聞こえて、意識はそっちにもっていかれてしまった
風蓮の違和感など、すぐに気にならなくなってしまった
この時、無理にでもその言葉の意味を聞き出しておけば良かった………
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