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ヴィコンユ王国――――。 人里離れた、奥深い山のふもとのロアーシュ村。
人々は、田畑を耕し、家畜を飼い、織物や工芸品を里に売りに行く。
魔法使いは、村人が、病になれば薬草を、赤ん坊の誕生には祝福を――――。
全ては、皆のために在った。
ずっと、この幸せが続く筈だった。
村の小高い丘に、青年が美しい少年の手を引き、立っていた。
「今から゛古城の森 ゛に行こう。昔々に来たことがある筈だよ?思い出さないかい?」
「さあ?忘れてしまったよ」
少年は、そう答えると遠くを見つめた。
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