闇のはじまり

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   魔法使いの手厚い看護で、少年は意識を取戻した。    「お兄さん……ここは、どこ?何もわからないんだ。俺は誰なんだ?」     少年は全ての記憶を、なくていた。    「ここは、“目覚めの森”の私の家。私の名はシャルル。皆、銀色の魔法使いと呼ぶ」    「魔法使い?」     少年は、そうつぶやくと、また、眠りについた。    「ゆっくりと休みなさい」     魔法使いは、戸の外側で物音がしたので、戸を開いた。    「あの子供、クラウスを渡せ!俺が異国から、追って来た。ダニエル=ド=ロッシュに秘密を知られたのだ」     黒マントの男は、呼吸も荒く言った。    「ルイ、落ち着け!異国とは、どういうことだ?訳もわからず、あの子を渡す事は出来ない」   
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