31人が本棚に入れています
本棚に追加
闇の中で、幾人かの気配を感じた。
「邪魔をすると、容赦はしないぞ。どけ!シャルル!」
「ルイ、この子は記憶がない。私が責任を持って面倒をみよう。だから、秘密を教えてくれ。」
銀色の魔法使いシャルルは、黒マントの男、ルイに安心しろと訴えた。そして、ルイはシャルルに全てを打ち明けた。
「シャルル、よかろう。お前が、常に見張っていろよ。もしもの時は解ってるな」
彼は、そう言うと、踵を返し立ち去った。
あれから、半年――――。
「シャルル!今日はウサギを捕まえたよ」
「クラウス、薬草はどうしたの?」
「あっ!忘れた。置いて来た」
少年は、頭を掻き舌を出す仕草をして見せた。
最初のコメントを投稿しよう!