31人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺が、ルイから聞き出したのさ。あいつが、どうなったか知りたい?シャルル」
軽い口調で言った後、口の端をあげて、ニヤリと笑う。
「アラミス!お前、ルイをどうしたんだ!?」
アラミスは、赤毛の長い髪を、頭上の所で結えて垂らしている。少年の幼さの残る容姿だった。
「どうなったんだろうね?プッ、アハハ、そんなに睨むなよ。ルイを尋問したけど、なかなか喋らなくってねぇ。腹が立つから、俺が屈辱を与え続けた」
シャルルは、アラミスの胸ぐらを掴んで、震え声で叫んだ。
「貴様!!まさか、ルイを!?」
いきなり、二人の間を、杖が割って入った。
「シャルル、ルイは無事だ。今は、他に不審な所があるので、地下牢に入れて置いた。アラミス、いい加減にしないか!」
「ふんっ、うるさいなぁ」
オーギュストに、蔑みの眼を向けられ、アラミスは口を尖らせ、そっぽを向いた。
「シャルル、必ず言う事を聞いて貰う。守りたい者がいるのだろう?」
「考えさせてくれ」
組織に見つかった時点で、選択肢がないことを、シャルルは解っていた。
私は、また闇の世界を見なければ、いけないのか。
最初のコメントを投稿しよう!