第三章 疑惑

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 私には、記憶障害があるらしく、所々の記憶があやふやです。  余りにも耐えられない出来事が起きると、そんな風になるのだそうです。  だから、何もかもが解らないのです。  きっと私がこんな風だから、母に心配をかけて悲しませてしまうのでしょうね。  私がもっと強ければ…。  自分の犯した罪すら覚えていないなんて…。  私は、フラフラと覚束ない足取りで家に入り、自室へと戻りました。  暫く誰にも会いたくありません。
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