第三章 疑惑

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 外はもうすっかり真っ暗になっていました。  母の笑い声と男の声がします。  姿を確認するまでもなく、相手の男が誰なのかは声を聞いた時点ですぐに判りました。  あの男が、大嫌いなあの男が、母と談笑しているところでした。  その声を聞くだけでも忌々しく不快な気分にさせ、こんな事ならそれが例え悪夢であっても目覚めなければ良かったのにと後悔させる程です。  一体何を話しているのかと窓から身を乗り出したところで、母に気付かれてしまいました。
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