第一章 嫌いな花

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 気が付くと、男はもう居なくなっていました。  何だか体に力が入らず、痺れた様で、私は立っている事すらままならず、その場に崩れ落ちました。  息が苦しい。  吐き気を抑えられずに、私はひたすら吐き続けました。  ぼやけた視界にあの花が映り、そういえばあの時にもこの花がそこにあったっけ…なんて一瞬考えたものの、よくは思い出せずに、また私はそれを見ない様にしてしまうのです。  見たくない、気持ち悪い、何も考えたくない…。
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