2. 生まれ故郷

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「…きろ!お…ろ! ……おい!ヒスイ、起きろ!」 私はその大きな声で眼を覚ました。 「サンラ…ス? ……お早う~」 「ああ…お早う…早く支度しろ。行くぞ?」 「ふわーい…」 私は寝ぼけた眼を擦り支度を始めた。 そして私はリュックの中から2つの実を出した。 その実は紅く熟したルルの実だ。 「ルルの実です。どうぞ。」 私はそう言って、サンラスにルルの実を投げた。 サンラスはそれを受け取り、かぶりついた。 「んっ!ふまひっ!」 頬を膨らましながら言う。 きっと、"んっ!うまいっ!"とでも言いたいのだろう。 私も少し囓った。 口の中に甘酸っぱい味が広がった。 そして、種を残して全て食べ終わると少し話し合いをした。 今日は森を抜け、街に出る事が目標だ。 テントをたたむと、すぐに出発した。  
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