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おっと、本来の目的を忘れてた。
「飛鳥、ちょっと待ってて」
「う、うん」
飛鳥は軽く首を縦に振る。
すぐに小さい、薄い青色の布に包まれた物を自分の部屋の棚から取る。
再び飛鳥の部屋に戻ると飛鳥は日記を棚にしまっている所だった。
おし、また今度こっそり見よう。
「飛鳥。さっきは忘れてたけどこれ誕生日プレゼントな」
「えっ?ありがとう、お兄ちゃん!」
本日、飛鳥が見せた最高の笑顔。
太陽に匹敵するほど眩しい。
飛鳥は早速、布袋からプレゼントを取り出す。
俺がプレゼントしたのはネックレスだ。
真ん中に星とハートのデザインが施されているやつ。
「わぁ、可愛い!」
飛鳥はネックレスを首の近くに寄せて似合うかどうか試している。
飛鳥、お前が可愛いぞ!
「安物だが、これでいいか?」
確か3~4千円だったような気がする。
「うん!お兄ちゃんからのプレゼントならなんでも嬉しい!」
あぁ、妹バンザイ!
飛鳥の見えない所で小さくガッツポーズをする。
「あっ…それと今年の願いはなんだ?」
毎年、飛鳥の誕生日には俺が一つだけ言うことを聞くという約束を飛鳥が小学3年生の時にした。
まぁ、誕生日じゃなくても飛鳥の願いなら聞くがな。
さて、今回はなんだろうな…
「うん。じゃあ、飛鳥にキスして!」
「…」
はい?
「キ、キス?」
「そう!」
飛鳥はなんの恥じらいもなく言うが、俺の心臓はバクバクだ。
妹とキス?
嫌じゃないけどマズイでしょ色々と…
「他のじゃ、ダメか…?」
俺がそう言うと飛鳥はあからさまに不満の表情をする。
「ぁうぅ、じゃあ今日、一緒に寝てくれる?」
なんか鼻から血が…
一つ言う。断じて鼻血じゃないぞ。
断じてだ。
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