217人が本棚に入れています
本棚に追加
******
「むぅ、お兄ちゃんもう寝ちゃったですぅ」
なにかしてもらおうと思ったのにぃ。
だけど、お兄ちゃんは生徒会が忙しくて疲れて寝ちゃったんだよね?だから起こしちゃダメだよ、私。
「ありがとね、お兄ちゃん」
飛鳥はまだ子供だからお兄ちゃんとは対等じゃないけど、お兄ちゃんに釣り合うほどの大人になったら飛鳥、頑張るから。
キスね、諦めてないよ。
だからね、ごめんね?
お兄ちゃん、嫌かもしれないけど今日だけ飛鳥のわがまま聞いてね?
そっとお兄ちゃんの顔の真っ正面に自分の顔を近づける。
お兄ちゃんはなんてかっこいいんだろう。
寝顔もかっこいい。
やっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんなんだね。
妹じゃなくて一人の女としてお兄ちゃんに接してもらいたかったな…
「ごめんね。飛鳥、やっぱり自分の気持ちに嘘つけないや」
そっとお兄ちゃんの頬にキスをする。
今は唇にしたらダメだよね?
だから、唇にはお兄ちゃんからしてね?
お兄ちゃんの頬は少し冷たかったけど人としての温かさはあって、優しい温もりに溢れていた。
「おやすみ、“宏輔”!」
今は伝わらないかもしれないけどいつか気づいてね?お兄ちゃん!
お兄ちゃんの腕に自分の腕を絡めて抱き枕のようにして眠りについた。
ベッドから伝わるお兄ちゃんの匂いがとても心地良かった。
大好きだよ、お兄ちゃん…
最初のコメントを投稿しよう!