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長ったらしい校長の話も終え、開会式は無事に終了した。
いつも思うが校長の話はなぜいつも長いんだ?
気づけば喉が痛くなるほど喉が渇いていたらしく急いでグラウンドの隅に備え付けられている給水機で水分補給をした。
「うめぇ、生き返る!」
冷たい水が干上がった喉を潤す。
至福の時間だ。
「おい、霧生」
「…」
はい、至福の時間、終~了~。
あのバカの登場です、バカの。
「なんなんだよ、さっきから」
「名前を名乗ってなかったからな。俺は―…」
「あぁ、いいからいいから。お前の名前を聞いたって脳内がおかしくなるだけだから…」
水分も補給し終わったので、バカの言葉を遮ってから自分のクラスの所に足早に向かう。
バカは無視だ、無視。
「ちょっ、待てや!余裕こいてんじゃねぇよ、バーカ」
はぁ、もううざい!
しつけぇんだよ、このバカは!
「お前がバカだ、バーカ!」
親指を立て、それを逆さまにし、捨て台詞を吐く。
「宏輔!どこ行ってたの!もう50m走の人、集まってるわよ!」
そんなアホみたいな争いをしていた俺とバカの目の前に祥子が現れた。
「~ッ!」
なんでここでコイツが現れんだよ!
うっとおしい奴が二人に増えたよ。
まぁ、祥子は可愛いからフィフティーフィフティーということで許す。
「わかってるよ、今から向かう」
「そう?じゃ、頑張ってね!」
祥子はガッツポーズをしながら俺に向かって言う。
嬉しいぞ、うん。
後ろでバカが『なんでコイツの周りにはこんな上玉揃いなんだぁ!』と叫んでたがどうでもいいか。
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