‡ルシフェリア物語‡

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  ルシフェリア物語 ある日、夜の国を治める若き王が森で薬草を探している途中、12枚の赤き羽根を持つ美しい天使に出会い、恋に落ちました。 赤き羽根の天使は反逆の罪で神や天使達から追われており、大変傷付いていました。 夜の王は赤き天使を神達から匿う為に、彼女を自分の城で暮らさせ、幸せな日々を送りました。 しかし、幸せはあまりにもあっけなく終わりを迎えてしまったのです。 神は夜の王が堕天使を匿っていると知ると、夜の国に大災害を起こしたのです。 夜の国の東の地はひび割れ、西の地は流され、南の地は焼け、北の地は氷に閉ざされてしまいました。 さらに神は夜の王が反逆できぬよう、彼の妃を人質に取ったのでした。 神の非道な行いに奮起した堕天使は刀を握り、神にその刃を振りかざしました。 しかし刀は虚しく空を斬り、彼女は神の槍で胸を貫かれ、間も無く死んでしまいました。 大切な恋人を失った夜の王は怒り狂い、堕天使が手にしていた剣で天使を皆殺しにし、神にその刃を向けました。 神はその一太刀を避けようとしましたが、空からの矢に両目を潰され、夜の王の斬撃を避けきれずに死んでしまいました。 暫くすると、神と天使の血にまみれた夜の国に鴉は薔薇の種を落としました。 すると薔薇は血を吸って紅く紅く、そしてあまりに紅くなりすぎた為に人間の目には漆黒色に映るようになったのでした。 そして夜の王は最愛の堕天使の名を借り、夜の国を『ルシフェリア』と名付け、彼女の手にしていた剣『ルーンソード』を宝刀としたのでした。 それから夜の王と女王は黒薔薇と月明かりが彩るモノトーンの世界で平和に、そして幸せに暮らしましたとさ…。  おしまい
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