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ルシフェリア物語~堕天使視点~
『愛しき者よ…
どうか私の死を悔やまないでくれ
貴方の側にいれぬ事を許してくれ…』
神への反逆で神に胸を貫かれた堕天使は最後の力を使い、自らの姿を光の矢に変え、神の目を貫きました。
『これで貴方は神に殺される事は無い…
私はもう貴方の側にはいられぬが、私は最後に私に幸せを教えてくれた貴方にどうしても生きていて欲しかったんだ…
貴方の一番の幸せが何かは知っていたが、これは叶えられそうにはない…
すまない…勝手に貴方の下から消える私を許してくれ…
私の愛しき者…夜の王ナイトよ…』
光の矢は神の両の目を貫くと光の粒子を撒き散らし、『どうか夜の国に恩寵があらん事を…』と夜の王に言葉を残すと、空に溶けていきました…。
ルシフェリアの空は常に黒に覆われています。
それは夜の王が堕天使を失った悲しみが空に表れたからだと言われているのです。
しかし、彼らは会えなくなった訳ではありません…。
堕天使は西の空に輝く明星となって、夜の国の朝を伝え、夜の王をいつだって空から見守っているのですから…
夜の王もきっと何処かでこの明星に祈りを捧げ、かつての日を想っている事でしょう。
これは悲しく、儚い夜の若き王と美しい堕天使のお話……
おしまい
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