本編

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 数日後、俺はいつものように結菜と帰ろうとしたのだが、曖昧な笑顔でやんわりと断られた。 『今日はね………大事な用があるの。だから……かず君は先に帰ってて』  結菜はそう言い残すと、名残惜しそうにこちらを見ながら帰って行った。俺は首を傾げながらもその背中を見送った。  今日が自身の誕生日である事をすっかり忘れていた俺は、悪友と連れ添ってゲーセンに行った。他愛も無い話に花を咲かせつつ、ゾンビを撃ち倒して進むシューティングゲームを楽しんだ。  それにも飽きた所で、俺はその場を後にした。雨の降りしきる中、俺は傘を差しながら一人で歩き始める。
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